台湾Night
「クラスのLINEグループとかありますか?」
4月の頭に別のクラスの日本の方から不意に聞かれる。
「そういえば、ないですねー」
自分のクラスはそう行った連絡網がない。
その人のクラスは、先生も含めたLINEグループがあって、授業後もクラスメイトで映画を観に行ったりするらしい。
こっちはLINEグループも無いし、そんな付き合いもない。
なんか雰囲気的には、そう行ったこともなく1タームが終わってしまうんだろうなと、どこか諦めていたところもあった。
その翌日、金曜日。
「LINE教えて!明日、みんなで飲みに行こう!店予約するから!」
まさかの急展開。
イタリアの子が音頭を取っている。
あれよあれよと作らないだろうと思われていたLINEグループが出来上がる。
そして翌日、夜9時より始まる飲み会がセッティングされたのであった。
当日。
クラスメイトの日本人と一緒にお店へ向かう。
お店は台北101から程よく近い場所にある英国式パブ。
店までの道中、クラスメイトから
「どうやら誘ってくれた子のハタチの誕生日が明日らしいですよ。だからそれも兼ねてるんだと思います。」
なるほど、そういうことか!
とは言え、心の中は『クラスメイトとこれを経てもっと仲良くなれるかも!』というウキウキと『欧米の方々と盃をかわす』という初めてのイベントに対する緊張感。
どちらかというと緊張の度合いの方が大きい。
店の前で待っていると、主役の登場!
「来てくれて、ありがとうー!!」
熱烈なハグでの歓迎。
海外映画かドラマでしか観ない、このフランクなハグにスムーズに対応できない、28歳日本人男性。
『え?どんな間合い?どんな密着具合がエチケット範囲なの?』
さらに同い年のポーランド人も温泉地から帰還し、時間通りに登場。
「ヨッパライにナリマショーウ」
すでに楽しそう。
すると、見知らぬイケメン台湾人も登場。まさにクラブとかに出入りしてそうな風格。英語も流暢に操る。
イタリアの子の知り合いらしい。
『おい何処で出会った!』
おそらく自分もポーランド人も突っ込んだに違いない。
店の中は、英国式パブだけあって欧米人しかいない。
まず集まった7人くらいで乾杯。
「20歳若いなぁ〜」
という話で盛り上がると、イケメン台湾人も自分達と同じ28歳だった。
28歳男性3人が意味もわからずドッと沸いた。
時間が経つにつれて、主役の友達が次々に登場。最終的に12人ほど集まった。
因みに、3/4は欧州人。
12時を回ってから、主役が自分で
「誕生日がきたー!みんな今日はわざわざ集まってくれて本当にありがとう!!」
そこで出てくるのが
こちら、テキーラなわけですよ。
左手握り拳の塩を舐めて、一気にテキーラを流し込む!
今宵、最高潮の盛り上がり!
『すげーわー。俺、外人と一緒に飲んでるわー』
と感慨にふけっていると、時間は夜中の2時。
流石にそろそろキツイなと思うと、ポーランド人も同様なことを考えていたようで、クラスメイトの日本人と3人で先にお暇することに。
最後もハグでお別れ。
何か気の利いたことを言いたかったのだが、やはりハグに慣れていなく、結局あたふたした感じになる日本人男性。
もちろん電車もバスもその時間走っていないので、3人割り勘でタクシーで帰りましたとさ。