あっせんなよ!まじで!
ある週末、知り合いであるフランスの子と一緒に出かける機会があった。
もともとは台湾東部の宜蘭へ小旅行をするつもりだったが、どうも天気が優れないようで中止に。
代わりに「宗教博物館」なるものに行くことが決まる。
待ち合わせ場所で落ち合うと
「友達も1人来るから待ってて」
と言って、後からスペインの子が合流。
同じ語学センターの同級生。
彼女は去年の秋からこっちにきて中国語をゼロから勉強している。
まだあまり中国語での会話を得意としないのか、基本会話は英語となってしまう。
しかし、さすがスペイン人。性格が明るい。
目的地へはバス移動。
かれこれ1時間弱乗っていた。
車内ではフランスの子に素朴な質問をぶつける。
「フランス人は英語もやっぱ得意とする人多いの?」
「フランスで英語を喋れる人は少ないわ。私は1年ニューヨークに語学留学してたの。おばさんの家があるからラッキーだった!」
ちなみに彼女は6月には国に戻り、貿易関係の会社に就職することが決まっている。
こっちに来て欧州の人と多く出会うが、みんな英語を操れる。
それがスタンダードなのかと感じていたが、内実は違うのか...果たして。
目的地の宗教博物館はそれなりに立派なところで、世界3大宗教を始め、他の宗教に関する展示も充実していた。
その起源から台湾に入ってきて、どのように形成されていったのか。
またその宗派の特色ある展示物も数多く取り揃えてあった。
3人各々が自由に見て回るスタイル。
小一時間見て回ったところで
「これから映像始まるから入って!」
と職員のおばちゃんにホールへ入るよう促される。
スピリチュアルな映像が終わると地下へ続く扉が開き、展示物をボランティアのおじいちゃんが紹介して回るサービスがあった。
そのツアーに自動参加する羽目になった3人と1人の女性。計4人。
ボランティアのおじいちゃん、懇切丁寧に一つ一つの展示物を紹介してくれる。
地下だけのサービスかと思っていたら、どうやら1階の展示物も説明してくれるらしい。
ちなみに3人が1 時間かけて見て回ったのも1階。
『まさか既に見終わっている1階も、この爺様が懇切丁寧に説明なさるのか。なんなら言葉を全て理解できるわけじゃないし、ペースも超遅いし、クーラー効きすぎて寒いし。。。いつ終わるの!!??』
3人が3人こんなことを思っていたに違いない。
結局、しっかりその爺様の説明を聞く羽目になる。
約1時間半ほど。体感時間は3時間。
何度『トイレにいってきますー』と言って1人抜け出そうと思ったことか。
ようやく博物館を脱出できたあとは
「ハングリーー!!ご飯食べに行こう!」
スペインの子が叫ぶ。
しかし、お目当のご飯屋がやってないトラブルなどあり、終盤は3人無言で別のご飯屋へ歩く。
その時、急に思い出した。
「いくつかスペイン語知ってる!」
「なになに?」
「トランキーロ!」
「なんでその言葉知ってんの!!」
笑ってくれた〜〜〜〜!
「あと、エンセリオ」
「エンセリオはこうやって使うの!」
ありがとう内藤哲也。ありがとうロスインゴベルナブレス。またプロレスに感謝だ。
これでなんとか持ち直し、やっとご飯にありつけるのだった。
その宗教博物館では、お伊勢参りもできる。