おもちとコーヒー

台北に住み始めた2019。

トマトは野菜?果物?

アジア系アメリカ人が自分のクラスにいて、一緒に勉学を共にしている。

彼は少し協調性にかけるが、話してみるとよく喋るし日本のことも好きみたいだ。

そんな彼は叔父か叔母が台湾にいるらしく中国語をそれなりに操れる。

なので誰かが話している最中に、表現に詰まる場面があると

「彼はこうこうこう言いたんだよ」

と半ば一方的に翻訳する機会も少なくなかった。

 

イタリアの子が少し言葉に詰まりつつも、なんとか知っている単語を繋いで喋ろうとしてる時にも、

彼は彼女を遮って翻訳したことがあった。

「Let me finish!」

『あ、使役動詞のletが綺麗に聞き取れたなー』

と思ったと同時に、若干嫌な予感がした。

 

彼と彼女は席が隣同士なのだが、それ以降彼女は別の席で授業を受ける機会が多くなった。

そして先週1週間はずっと別の席で授業を受けていた。

 

ある日、先生が

「果物の単語を1人ずつ言って!」

いわば山手線ゲームが始まったわけなのだが、彼が言うのである

「トマトは野菜?果物?」

イギリスとポーランド

「トマトは果物だよ」

「でも、イタリアだとピザに使ったり、サラダに使ったりする。それでも果物なの?」

そりゃあイタリア出身の彼女は答えるしかない

「生物学(?)的には果物だけど、どっちでもいいわ」

その後、また彼が何か付け加えたのだが聞き取れなかった。

「Ok,No!」

と彼女が小さく呟く。

タイミングよくその瞬間チャイムがなって授業が終わった。

彼は口笛を吹きながら教室を出て、一方はイタリア語で汚いであろう言葉を吐いたのであった。

 

『あぁ、これはしんどい展開になったなぁ』

と思っていると、お互いに同様の気配を察知したのか、

「ツカレタ。席カラ立チタクナイ」

と同い年のポーランド人が日本語でポロリ。

 

それからここ数日、彼は授業に来なくなった。

さぁ、どうなる!

 

 

街並み。