デリバリーアイス
今週火曜日はクラスメイトであるポーランドの彼の誕生日だった。
自分と同じ29歳。
先生は今学期がスタートする際に全員の誕生日を確認し、この学期に該当する誕生日の人にはささやかなケーキをプレゼントすると言う。
しっかり忘れていない先生は、前日に
「明日はケーキ買ってくるからね!みんなも何でもいいから食べるもの買ってきて!」
ちょうどその日、4つのイラストを見て自分でストーリーを作ると言う授業内容があった。
2班に別れたのだが、自分以外の3人はみんな女性で、
「じゃあ、あなたが自転車に乗ってアイスクリームを彼女に届ける際に、交通事故にあった!って言う話にしましょ」
とフィリピンの彼女が大枠を決めた。
彼女は最近自分に対する扱いがおざなり気味なのだが、打ち解けていると同義なので個人的にはかなり嬉しい。
授業が終わり、いつも通りに図書館に篭る。
夜も更け、その帰り道に大学近くのスーパーに寄って明日の誕生日プレゼント探し。
その時、店内放送が自分の耳に入ってきた。
「こんな暑い日はアイスクリームを買って食べよう!」
みたいな内容。
武者震いがした。
『今日の授業の内容から、明日俺がアイスクリームを買って自転車で教室に持って行ったら最高に面白いな』
火がついた。
翌日、再びそのスーパーでアイスクリームを購入。
昼間は37度がスタンダードな台北なので、本当に素早くアイスクリームを冷蔵庫に持って行かないと溶けてしまう。
日本みたいにドライアイスのサービスなどない(おそらく)
普通に歩いて山の上にある教室棟へ持っていくには少なく見積もっても20分はかかる。
マジで自転車で急ぐしかなかった。
幸いにもスーパーの前にはレンタルサイクルの駐輪場がある。
そこから一気にチャリンコでキャンパスを疾走し、赤坂5丁目ミニマラソンの心臓破りの坂以上の急勾配をチャリンコで駆け上がる。
自転車に乗って運んだ証拠も残さないといけないので、漕ぎながらスマホで写真を撮りまくる。
流石に漕ぎ続けることは難しくて途中で歩いたが、なんとか溶ける前にオフィスにある冷凍庫を借りることができた。
レンタルサイクルを返却し、再度教室棟へ向かった。
授業開始前にたまたまフィリピンの彼女と会って
「実はアイスクリーム買ってきたんだよね、ふっふっふ」
みたいな事を言うと、驚いた表情で無言のサムアップ。サンキュー!
授業の最初の1時間は丸々誕生パーティーだった。
先生がケーキを披露し、写真を撮ってバースデーソングを唄う。各国共通。
各々がそれなりに大きいケーキを食べ終わる頃を見計らって、アイスを冷凍庫から持ってくる。
「どうしたの?」
と先生が尋ねるので、
「昨日の話覚えてる?今日もアイスクリームを運んできたよ!」
ありがとうございます。大いに沸きました。大成功でした。
ちゃんとLINEで自転車に乗って運んだ証拠の写真を送ったら、さらに沸きました。
主役より目立つのは申し訳ない気がしたけど、ポーランドの彼は大喜びでオレオのアイスバーを2本も食べてたから、俺は嬉しかったよ!笑
以上、久々に本領発揮できた感が気持ちよかったと言うお話でした。イエイ!
登っている最中に目眩がした瞬間は、ダメかと思いました。